第七回EDHカード紹介:《ドラゴンの嵐/Dragonstorm》

第七回、EDHカード紹介コーナー(ドンドンパフパフ
ということで今回のテーマは「インスタント・ソーサリー」ですね。これで概ねのカードタイプを紹介したと思われます。
ノンクリーチャーデッキはあったりノンランドデッキはあったりしますが、あんまりインスタントソーサリーが入ってないデッキというのは聞き覚えない感じがします。それぐらいにはいつでも使ってるカードタイプでしょう。

で、何を紹介するのかと言われたらこれですよ。

Dragonstorm / ドラゴンの嵐 (8)(赤)
ソーサリー

あなたのライブラリーからドラゴン(Dragon)・パーマネント・カードを1枚探し、それを戦場に出す。その後あなたのライブラリーを切り直す。
ストーム(あなたがこの呪文を唱えたとき、このターンにそれより前に唱えた呪文1つにつきそれを1回コピーする。)


言わずもがなの名カードにして僕の魂の一枚でもあるカード。幸運なことにこのカードはソーサリーであるため、この場で紹介することが出来ました。

○基礎知識
現状、ドラゴンストームでゲームに勝つためにはBR(G)が必要です。何が必要かというと《龍王コラガン/Dragonlord Kolaghan》か《ジャンドの暴君、カーサス/Karrthus, Tyrant of Jund》の持つ「あなたがコントロールするクリーチャーは速攻を持つ」という一文です。もちろん、《熱情/Fervor》や《龍の大嵐/Dragon Tempest》を先置きすることで単色でも十全に可能ですが、奇襲という意味合いではやはり色を足すべきであると思います。
持ってくるドラゴンに関しては過去日記を参照してください。絶対に入るドラゴンは決まっているものの、残りは個人の選り好みです。
とにかく決まってしまえば120点のライフ程度は一瞬で消し飛んでしまう破壊力と、見た目の派手さ加減からファンが多いらしいです。某カードショップでも紹介されているので、気になる方はそちらの記事もお読みください。

○ドラゴンストームを撃つのはマナ加速だけではない
見ての通りマナコストは十全に重い「9」です。色拘束を無視しても、それ単体で勝てうる《歯と爪/Tooth and Nail》と同一コストであり、単純に土地を並べて撃ち込んでもなんの成果も得ることが出来ません。このカードの全力を引き出すにはストームを重ねることにあります。そのために《煮えたぎる歌/Seething Song》などのマナ加速呪文や事前のストーム稼ぎを行っていくわけですが、マナ加速呪文を打ち消されると先に進めないわけです。
ならどうするのか、というので思いつくのはコストの踏み倒しです。有名どころは《全知/Omniscience》や《悟った達人、ナーセット/Narset, Enlightened Master》ですが、全知ならそれだけで勝てうるし、ナーセットもシステム上生物が入りづらく、ドラゴンストームとは噛み合いません。そこで発売されたばかりの統率者2015収録のカードからこちらを。

Mizzix’s Mastery / ミジックスの熟達 (3)(赤)
ソーサリー

あなたの墓地にあるインスタント・カード1枚かソーサリー・カード1枚を対象とし、それを追放する。これにより追放されたカードをコピーする。あなたはそのコピーをそのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。ミジックスの熟達を追放する。
超過(5)(赤)(赤)(赤)(あなたはこの呪文をその超過コストで唱えてもよい。そうしたなら、あなたの墓地にある各インスタント・カードやソーサリー・カードをそれぞれ追放する。これにより追放された各カードにつき、それをコピーする。あなたはそれらのコピーをそのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。ミジックスの熟達を追放する。)


墓地から唱えちゃいましょう。なお超過しても元のドラゴンストームより安いという具合。
墓地に落とす手段は《納墓/Entomb》なり《Wheel of Fortune》での交換中なりと多彩です。今まで手札からなくなってしまったドラゴンストームを《永遠の証人/Eternal Witness》で拾い上げてどうのこうの以外なかったので、割といい進化だと思います。今までも《過去の罪/Sins of the Past》というカードで試したりしましたが、実用レベルに軽くなったので戦力と認められるでしょう。また、デッキが青いならば《呪文ねじり/Spelltwine》も実用圏内です。

○対策としては
このカード、ストームというシステム上カウンターにはそれなりに強いのですが、様々な弱点があります。
カウンターしにくい、とはいうもののそもそもカウンター出来ない呪文ではないので、例を挙げれば《狼狽の嵐/Flusterstorm》、今回収録の《神秘の合流点/Mystic Confluence》でも押さえつけることもできます。
通してしまってもサーチを行うので《締め付け/Stranglehold》は効きますし、《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》は前述の墓地から唱えるプランすらぶち壊してくれます。
その全てを掻い潜ってドラゴンを戦場に並べたとしても、全体に速攻を与えるドラゴンがいなければ1ターン待つことになりますし、かつて紹介した《玉座の災い魔/Scourge of the Throne》を除去すれば打点は大幅に下落します。

○対策の対策
カウンターに関しては都合よく余ったマナや《赤霊破/Red Elemental Blast》があることを祈りましょう。概ね全力ぶっぱになるのでマナが余ることは少ないでしょうが……。
その他置物系対策は自分以外のプレイヤーも被害を受けているはずです。誰かがしびれを切らしてどけるその瞬間を待ちましょう。常に二番手行動を心がけることがEDHの勝率を上げるコツだと聞いています。
打ち消しもない、盤面に妨害もない、でも相手にまだやる気の目が残っている、そんな感覚を得たならばサーチするカードを変えてみるのも手です。デッキ内のドラゴンを最低限にしていなければ、どれにしようかなと普段選択しないルートを通ってみるのもいいかもしれません。最低でも大型サイズの飛行生物が出るので、残しておいても相手は損をするだけなのです。
最後が一番の対策ですが、ドラゴンストームに頼りすぎないということです。99枚のデッキリストの中でこのコンボに必要なのは最低限で5枚だけなので、他の勝ち手段を考えることもできます。特にどのプランであっても最低限BRではあると思いますので、黒お得意の《憎悪/Hatred》ワンパックルートやジェネラル特有の戦術が考えられると思います。あくまでもドラゴンストームはシステムであり、これだけを狙い続けて勝てるほどEDHは甘くないのです。

○展望
ドラゴンというクリーチャータイプはこれからも刷られ続け、昨今の雰囲気からすればさらに強力なドラゴンが現れ続け、デッキのチューニングが施されていくことでしょう。
今回のタルキールでは現れることがありませんでしたが、いずれは「あなたがコントロールするドラゴン・クリーチャーは速攻を持つ」という一文の載った赤単色のドラゴンが現れることでしょう。そうなればドラゴンストームの垣根はさらに広がっていくと思います。タルキールへの回帰が存在するならば、また強力なドラゴンも現れるかもしれませんね。


○おまけ
こちらのサイトでFoil版が販売されています。ぜひどうぞ。
http://www.luminous-foil.net/product/8214

また、筆者はスカージ版日本語Foilを募集しておりますので、お見かけした暁にはご一報くださいませ。

コメント

こ
2015年11月18日2:35

通りすがりですが失礼します。
ミジックスの熟達は対象となった墓地の呪文を"追放"してから唱えるため、墓掘りの檻をすり抜けることができますよ!(なおライブラリーのクリーチャーは出ない)
ksk

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