部族EDH、それは世界で最もエキサイティングなゲーム。
遠くアメリカの地ではスーパーボウルに匹敵する人気を誇っていると私の中で話題である。
過去のカバレージについてはこちらをご覧いただこう(http://9thtailmohumohu.diarynote.jp/201501252043247017/)。


今回フィーチャーテーブルに呼ばれたのはもはや説明するまでもない、虫EDHを駆る古豪、稲荷。対するはスリヴァーを巧みに操り、ここまで駆け上ってきた新鋭、ケイ。
新旧を代表する二人の戦いの火ぶたが切られる。

GAME1
ダイスロールにより稲荷が先攻。それぞれ理想的なハンドなのか、力強い目つきでキープを宣言する(顔は見えない)。稲荷が《草むした墓/Overgrown Tomb》から《繁茂/Wild Growth》、《放浪の吟遊詩人、イーサーン/Yisan, the Wanderer Bard》、イーサーンの奇声によって《硬鎧の群れ/Scute Mob》と攻め立てる。この間力強いキープにしては土地を並べるに留まっていたケイも「ククク……我が奇声と貴様の奇声、どちらが強いのだろうな……!」と表情に陰りが生まれる(顔は見えない)。
4ターン目に入っても土地を置くだけに留まるケイ。しかし、場に並んでいる土地は島森沼山。すぐにでもジェネラルである《スリヴァーの女王/Sliver Queen》が飛び出してきそうな雰囲気に稲荷は怯えの様子を隠せない。イーサーンの奇声によって《疫病のとげ刺し/Plague Stinger》を場に呼び出し、さらに《ジラ・エリアン/Xira Arien》で場を掌握にかかる。
迎えた5ターン目、ケイの手札から置かれる基本地形は……島。理想的な挙動ではなかったものの、《狂気スリヴァー/Dementia Sliver》を呼び出す。とげ刺しによって毒を受けつつも《繁殖スリヴァー/Brood Sliver》と展開。
ここまで5枚目の土地を置けなかった稲荷、ここで待望の土地をセット。次のターンから硬鎧の能力が誘発し始める。このエンド時にケイは狂気の能力起動。指定されたカードは《最後に訪れしもの、亜楡身/Ayumi, the Last Visitor》。なぜアユミかというと稲荷の元カノの名前であり、精神的揺さぶりをかけているようだ。マジックだけでない、公私ともに仲の良さがうかがえる一幕であるが、もちろん虫EDHにアユミがいることもなく、見えたのは《バーラ・ゲドの蠍/Bala Ged Scorpion》。ここでケイが戦場に送り出すは最強の一角とも噂される《念動スリヴァー/Telekinetic Sliver》。スリヴァー全体に《対立/Opposition》を持たせるスリヴァーで、一瞬戦場が膠着する。
イーサーンのライブ(投稿三回目ならそろそろコミュニティできるんじゃないかな)によりかつてふぁい氏の操る童貞EDHにおいての必須カード、《ジェイラム秘本/Jalum Tome》などのエロ本を破壊した実質母親の《腐食バチ/Caustic Wasps》が降臨するも、この状況下ではバニラに過ぎない。ケイはさらに《先制スリヴァー/Striking Sliver》、《増力スリヴァー/Might Sliver》と展開し、スリヴァーの数を増やしていく。
しかし、稲荷もジラエリアンのドロー、イーサーンの歌ってみた投稿(四回目で《死橋の大巨虫/Deadbridge Goliath》、五回目で《食百足/Vorapede》)と細かくアドをとっていく。
そしてイーサーンの六回目、現れるは《ファイレクシアの群れの王/Phyrexian Swarmlord》! 既に毒カウンターを3つ得ているケイにとっては、毎ターン増える感染生物は脅威でしかない。
スリヴァーを並べるも間に合わず、《大軍の功績/Triumph of the Hordes》で23体の感染生物が全軍攻撃を選ぶと、ケイは無言で首を振り、カードを片付けた。
ケイ 0-1 稲荷

GAME2
部族DCにおいてはサイドボードの概念が存在しない代わり、ゲーム間においてジェネラルを変更することが許されている。ケイはここで《スリヴァーの首領/Sliver Overlord》をジェネラルに選択。その眼は先ほどの一撃をやり返すことに燃えている(顔は見えない)。
ケイが森を置いてターンを返せば、稲荷も森を置く立ち上がり。《捕食スリヴァー/Predatory Sliver》《誘導スリヴァー/Homing Sliver》を戦場に送れば、稲荷はこの部族EDHにおける貴重なマナファクト、《ゴルガリの印鑑/Golgari Signet》《ゴルガリの魔鍵/Golgari Keyrune》をセット。ケイは殴らずに待機、稲荷は《腐食の這うもの/Caustic Crawler》を戦場に送り出す。
ここでケイは誘導スリヴァーの能力、スリヴァーサイクリングを起動。《宝革スリヴァー/Gemhide Sliver》を手札に加え、続けざまに降臨するオーバーロード!
稲荷もジラエリアンを召喚するが、オーバーロードの能力で《スリヴァー軍団/Sliver Legion》をサーチして戦場へ置けば、一瞬で稲荷のライフは吹き飛んだのだった。
ケイ 1-1 稲荷

GAME3
ケイはここでスリヴァー軍団をジェネラルに指定。
稲荷からの先攻であるが、「こちらのターンでエンド」という謎の単語が飛び交う中三戦目が始まる。《鮮烈な林/Vivid Grove》を置き、ジラエリアンという滑り出し。
対するケイも《酸性スリヴァー/Acidic Sliver》、《誘導スリヴァー/Homing Sliver》という展開からここでケイが自身の分身だと自負する《奇声スリヴァー/Screeching Sliver》を戦場に送り出す。さっそく能力によって稲荷のライブラリーを削り、落ちたカードの《ボジューカの沼/Bojuka Bog》を見て、「まだ抜いてなかったのか」と稲荷はひとりごちる。
稲荷はこのドローで長考。部族DCにおける長考は非常に珍しいが、これもマジックである以上、仕方のないことだ。考え抜いた結果、置かれるのは《食物連鎖/Food Chain》。部族EDHらしからぬ強カードに観客からも驚きの表情がうかがえる(顔は見えない)。
ケイは《幽体スリヴァー/Spectral Sliver》、《霊炎スリヴァー/Ghostflame Sliver》と次々と場に並べ、奇声によってライブラリーを削っていく。正面から殴り合うにはマナが不安と考えたのか、ライブラリ破壊プランをとったようだ。
ここで稲荷のドローは《腐食の這うもの/Caustic Crawler》。土地を置くことによって奇声スリヴァーを除去していくが、さらにケイはスリヴァーサイクリングにより《捕食スリヴァー/Predatory Sliver》を場に。全体修正を得たスリヴァーたちは殴り勝つプランを考えさせる。
稲荷のターン。ここで引いたカードを見た途端、稲荷の口から遊戯王で有名なあのBGMが漏れ出る。観客がこの演出に沸く中、キャストされるは《死の報い/Dead Reckoning》! これで回収されるのは奇声によって削られていった《女王スズメバチ/Hornet Queen》! さらにこのダメージによって捕食スリヴァーを除去!
戦場が稲荷に傾いたかに見えたが、ここでケイが満を持してキャストするは最強のスリヴァーとも名高い《束縛スリヴァー/Constricting Sliver》! 《未達への旅/Journey to Nowhere》を各スリヴァーに与えるこの力でジラエリアンを追放していく。
だが、稲荷は冷静だった。占術土地で土地を確認して、そのままでトップを固定。《ウンヤロ蜂/Unyaro Bees》を戦場に送り、束縛スリヴァーを除去。これによってジラエリアンが戦場に戻るも、ケイはサイクリングによって《メタリック・スリヴァー/Metallic Sliver》を《壊死スリヴァー/Necrotic Sliver》へ交換。場に《スリヴァーの巣/Sliver Hive》がある状態である以上、もはや戦況は決したか。
しかし、稲荷のトップドロー。ケイよ、と優しく声をかけ見せつけるは「一歩遅かったようだな、虫とは憎悪されるものだ!!!!」
《憎悪/Hatred》されたジラエリアンがケイを一撃のもとに屠りさったのだ。
ケイ 1-2 稲荷

やはり古豪は強かった! 稲荷、決勝進出!



おしり

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ksk

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